我が素晴らしき人生

「突然全裸生活」など刺激的な日々を提供いたします。

全裸心境資料〜4日目〜

以下記したのは、1週間全裸生活を実験的に始めた被験者の4日目の心境である。

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2020年5月19日 火曜日 天気:曇り

 

突然全裸生活4日目にもなると、服を着ていないということに関して

考えることも無くなってしまった。

 

しかし1つの思いが牙を剥き、吠えながら、無視できないほどに大きくなっていることを

認めなければいけなかった。

 

【外の空気に触れたい】 

 

 

繊細な指先で鼻腔をくすぐる、季節の風。

一寸通りかかった際に、認めた柔らかくもどこか寂しい隣家の夕飯の香り。

植物も生きていると首肯させられる、生き物独特の生臭さ。

ウーバーイーツの恰幅のいい男が、一寸横を自転車で通ったとき、苦しそうな顔をしたtシャツからかおる、若さを余すところなく謳歌している汗の匂い。

 

それらを直に触れたい。

その気持ちは3日間まるまるカーテンを閉め、家に閉じこもっている私の中で無視できないほどに成長していた。

 

この日は外界への憧れもあってか、60年代後半のロックを浴びた。

 

60年代後半といえば、アメリカの西海岸を中心に若者たちが

愛と平和と自由を求めた時代。

 

今までの道徳や常識にとらわれず、心の赴くまま生活する

ヒッピーたちの時代である。

 

感情の赴くままにドラッグをし、髭を好き放題のばし、セックスはやりたいときに、、、

 

人間本来の理想の生き方を今一度、からだで考えていた

ヒッピーたちの脳のエネルギーとなり、肉となり血となっていた

ジミ・ヘンドリクスジャニス・ジョップリン、ジム・モリソンなどを聞いていた。

 

 

そんなロックに頭を振っていたなか、突然玄関の呼び鈴がなった。

 

そう、何事も短い人生の中では、突然にやってくるのだ。

 

習慣で玄関に出ようとして、裸であることを思い出した。

こんな些細なことで新聞に名前が出るのは真っ平御免である。

 

居候の協力でとってもらった小包みには夢が詰まっていた。

 

私が呼びかけた支援として、九州にいる友達が郵送してくれたものであったが

その中身は「はだかのおうさま」であった。可愛い可愛い絵本である。

 

これを認めた時、私の目は完全に童心にかえっていた。

真っ裸ですぐに絵本に飛びついた。

 

何にしろ、全裸生活をしている20歳の友達に送るものとして

センスがありすぎではないか?

 

話の流れはある程度は知っていたが、少し曖昧な部分が多かった。

1ページ目はこんなスタートだ。

 

「ある くにに、

それは それは おしゃれが すきな おうさまが いました。

おうさまは、 ありったけの おかねを ふくや くつや ぼうしに つかいます。

あたまの なかは おしゃれの ことで いっぱいで、 だいじな かいぎも そっちのけ。」

 

ワクワクしながら読んでいた私の手はすっかり止まっていた。

どう考えても王様が自分と重なってしまったからである。

 

私は大の服好きである。

1ヶ月で10万以上は服に費やし、毎月クレジットカードの請求におわれる。

バイトでどうしようもない部分は、すきなシーズンの服を泣く泣く売り渡す、、

そんな生活が自粛期間以前は続いていた。

 

私は、ひらがなと絵と句読点だけが作り上げる世界にいつしか没頭していた。

 

何のために自分は服を着ているのか、また何のために意地をはっているのか

何に固執しているのか。それらを私の脳みそは平仮名で考えていた。

童心で受け止めていた。

 

絵本は決して子供向けではなかった。

立派な立派なクリエイションであった。

 

涙が出るほど本質だけがくりぬかれた、柔らかい顔をした孤高の天才であった。

 

クリエイションはマイナスである。

 

私は、ありがたいことに何かのデザインを頼まれたり、服を作る機会がある。

その時に心がけていることである。

 

九州から届いた、素敵な夢を運んだ絵本は

その本当の意味を私に教えてくれた。

 

裸で絵本を握りしめ、涙ともわからない何かを胸に感じていた。

 

その時私の耳に飛び込んだのは

全てを呪い、全てを吐き出すかのような

イギーポップの「ファック!」であった。

 

2020

 

 

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次回も裸族生活の心境を述べていきます!どうぞまとめてご覧ください! 

 

 

u-1999.hatenablog.com

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  慣れとは怖いものです。すでに裸でキーボードを打つという非日常が日常へとすりかわりました。