我が素晴らしき人生

「突然全裸生活」など刺激的な日々を提供いたします。

全裸心境資料〜6日目〜

以下記したのは、1週間全裸生活を実験的に始めた被験者の6日目の心境である。

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2020年5月21日 木曜日 天気:曇り

 

この頃は曇りが続いていた。

雨が降ったり降らなかったり。

カレンダーを見て、さては梅雨だな、と全裸の私は名推理をみせた。

 

目はさながらシャーロックホームズ、体はさながらギリシア彫刻である。

 

のそっと体を起こし、この日はギターを弾いた。

 

本格的に全国大会にも挑戦している津軽三味線に比べ

ギターに関しては全裸に毛が生えた程度である。

 

叔父さんから譲り受けた、味の深いアコースティックギターを使っている。

 

譲り受けたとき

ギターは埃をかぶり、切れている弦が2本。ほかの弦も物の見事に錆びていた。

 

私は友人に頼み込み、ギターを復活させてもらった。

そう、あれは貰ってから3日後のことであったと思う。

なんと偶然にも磔刑から3日後に復活したイエス様と同じである。

 

復活したギターは

有機的な予感を含んだ曲線がまばゆい、木であった名残を訴えかける名品であった

 

音を鳴らせばなんだか、歌っているような感覚に陥るのであった。

 

この日は「欲望に満ちた青年団を弾き語りした。

オーディエンスはもちろんいない。

私の出す音は、7畳1間の下宿先に当たっては跳ね返った。

 

実際にはこの歌において欲望という言葉の意味は、性的な意味を持っていないが

客観的に見れば、全裸で欲望に満ちた青年団を歌っているのは

確かに欲望の塊に見えたであろう。

 

 

この日は1度喋ったことがある友達がくる予定であった。

 

そう、1度”しか”喋ったことのない男である。

2回目に会う時に相手が全裸というのはなかなかのものである。

 

私が相手ならば、顔をまだはっきり覚えられていないので

顔と大事な部分、どちらに挨拶すべきなのかわからなくなりそうだ。

 

のちに、彼とは性癖の一致という人類の奇跡により

各国首脳同士の握手よりも固い握手を交わすことになるが

この時は、私も私のウェポンも緊張の顔をみせていた。

 

この日、彼は結局家に来ない運びとなった。

 

原因は突然のどうしても外せないzoom会議であったが

私の体が安心していたのは、この場で告白しておかなければいけない。

 

やはり、全裸でいてもなんとも思わないのは、かなり親しい間柄のみであったのだ。

 

プロの裸族は、対面の人と会う際、どうしているのだろうか。

本当に微塵も恥ずかしさはないのであろうか。

私の未熟さからくる恥ずかしさなのであろうか。

 

ここで私はある興味深い関係性を見出した。

裸を見られてもいい人は、自分の内面をさらけ出せる人。

 

当たり前のようにも感じるが、決して当たり前ではない。

 

私たち人間の持つ最も物質的な側面である身体

私たちの人間の最も非物質的な側面である思考や背景

 

恥ずかしさという点で交わっているのである。

 

なんだか、21世紀最大の発明をした気分であった。

 

恥ずかしさという交点は、実はみんな共通に持っていて

おそらく見つけにくく、どこかで赤く頰を染めているのだろう。

 

 

2020

 

 

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