我が素晴らしき人生

「突然全裸生活」など刺激的な日々を提供いたします。

全裸心境資料〜3日目〜

以下記したのは、1週間全裸生活を実験的に始めた被験者の3日目の心境である。

 

今回は倫理観や常識について、背中で語らず、全裸で語ります。

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2020年5月18日 月曜日 天気:雨

 

この日はぐっすり寝た。

 

全裸で昼に起きた。この日は授業をサボり、ゲームをしこたますることにした。

昔、映画でみた堕落大学生の日常が、私の小さな下宿先の風景にぴったり重なった。

 

その日は、朝が来なかったのだ。

 

私は幼少期から少し非合理的な感情を、雨に対して持っていた。

 雨の日は、世界が重い。

軽い雨音で誤魔化してみても私の目は欺けない。

 

降っているのは

幾ばくかの水と、日頃の鬱憤ではなかろうか。

 

少年の私は(いまも)

軽快な雨音は、鬱憤が弾ける刹那の音だと信じて疑わなかった。

 

しこたまやり込んでいたゲームは

バイオハザードである。

 

言わずと知れた、wii神ゲーである。

時代が移ろい、最新技術が駆使され、いくら高画質になろうと

昔のいいものが味がなくなるわけではない。

 

むしろ、味はより深くなっていく。

 

服に関していえば、ヴィンテージものというカテゴリーがあることからもそのことは

明確だ。そしてゲームに関しては、まさにこのゲームがそれを体現している。

 

ざっくりとしたストーリー展開は

拉致されたキュートな女の子を救いながら、ゾンビの(ような)教団を潰す。

というものである。

 

そんな殺伐とした世界に、全裸で挑んでいる私はなんだか

いつもより逞しく思えた。

 

女の子を助け出すシーンなんて

「今行くからな!」

ともちうる最大のイケてる声で言いそうになったほどだ。

 

ゾンビが襲いかかってくるところでは鳥肌がたった。

全裸だからこそ、その鳥肌を目視できた。

 

ちなみに肌は全然鳥っぽくはなかった。(多分私は美味しくないのだろう)

 

 

この日は、カルボナーラを作りにサークルの友達がやってきた。

口から生まれてきた、稀代のおしゃべり男である。

 

彼は頻繁に私の家を訪れていた。気心の知れた仲である。

 全裸に関しては銭湯も行ったことがあるし、平気だと思っていた。

 

しかし予想と反し

彼は訪問から10分間、私の股間を見続けた。

それも、まるで見てはいけないものをチラ見するような

あの見方であったのだ。

 

すっかり全裸生活に慣れきっていた私は、そこで再び気づかされることとなった。

いや、無意識にまで刷り込まれてしまったものが

やっと意識に上っただけなのかも知れなかった。

 

この世界はいつも自分中心に回っていたということだ。

全裸になっても、自分から見た世界は決して変わらなかった。

さらに居候達もその光景に慣れたことによって

 

私の日本のどこかにある小さな下宿先は

裸と衣服を着た人間が、ちょうど半数ずついる国家にすり替わっていた。

 

朝起きておはようという人間の半数が裸である。

お米をたく時に米を研いでいる人間の半数は裸の世界だったのだ。

 

しかし、おしゃべり男の侵入でその世界は音も立てずに崩れ落ちたのだ。

 

いかに自分の周囲を中心に世界が回っているのか

言い換えれば、いかに保持している倫理観や常識が変動性のあるものなのか

 

その本当の意味を全裸生活3日目にして、ようやく気づくことができた。

 

服を着た侵入者お手製の複雑な工程のカルボナーラ

なんだか奥深く、ずっしりとしていた。

 

 

2020

 

 

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次回から二回連続で裸族あるあるについてまとめました!

 

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 裸族には裸族の世界がありました。一寸のぞいてみませんか?