全裸心境資料〜1日目〜
以下記したのは、1週間全裸生活を実験的に始めた被験者の初日の心境である。
2020年5月16日 土曜日 天気:雨
朝起きて1番の感想は”寒い”であった。当たり前だ。
私は中途半端な時期に全裸なのだ。中途半端に空いた目で1日を滑り出した。
雨の雰囲気をいたるところから感じるとともに、底知れぬ開放感を味わった。
雨の軽やかな音とともに胸が高まるのを感じた。
生活を営んでいくうち、自分が全裸であることを肌で度々感じた。
少しばかり気づきがあったので書き記しておこう。
ドアノブは意外と冷たい。
→おへそに当たったのだ。体のなかで一番いらない穴、おへそ。
おへそが「冷たいよ」っていう日がくるとは。
ご飯は意外と体に飛んできている。
→どんなに丁寧にご飯をいただいても、実はご飯や液体の粉末は度々私たちへ飛来している。
非常にエッチなご飯である。
性器(以後隠語としてウェポンを使用)は意外にも揺れる。
→ブランコなのか?と錯覚したほどである。ウェポンがハイジなら叫んでいただろう。
そうこうしているうちに、全裸で過ごしているという意識は常に保持していたが、そこまで苦なく、楽しく生活を送ることができた。
この日は、サークルの先輩が支援にきてくださる日である。
※食料の支援である。前のブログ参照
先輩が持ってきてくださろうとしていたのは「天ぷらセット」であった。
私は嬉しい気持ちでいっぱいであった。
突然「勝手に全裸になるからなんか食料ください」
と言っているような後輩に話しかけてくださる事実が感動的であったのだ。
ぜひ折を見てドラマ化してほしい。名前は「裸の天ぷら先輩」なんてどうだろうか。
天ぷらが社会現象になりそうだ。
(打ちながら気づいたが、天ぷらって読み方次第で「あまぷら」になって
アマゾンプライムみたいだ。)
だが私の中で先輩の一言がひかかっていた。
天ぷらではなくて天ぷらセットであることである。
そう、先輩は戦慄の裸クッキングを望んでいたのである。
飛び跳ねる油に負けじと飛び跳ねる20歳の男の姿を
望んでいたのだ。
しかし、突然の雨により幸運ながら先輩は来られなくなった。これほど恵みの雨という言葉の本当の意味を噛み締めた日はなかった。
天ぷらを揚げる前に白旗を揚げることになる想定はこうして杞憂に終わった。
こうして私は一日をくぐり抜けた。なんだか感慨深かった。
あえて最近の言葉で言い直せば「エモかった」。
生まれてからこのかた20年、24時間全ての時間を裸で過ごしたことがあっただろうか。
赤ん坊の時でさえもオムツをつけていたであろう。
人生で初めて、生まれたままの体で1日をくぐり抜けたのだ。
裸ゆえにカーテンは開けられなかったので
月がいるであろう位置に検討をつけ、室内から月を睨みつけた。
すると天井の模様が不思議と月の灯りを真似るのであった。
本物よりリアルな想像の月を、ゆっくりと愛でてタバコを吸った。
煙が月に向かって泳いでいく。
その時流れていた音楽は「裸の心」であった。
2020
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裸族あるあるは少し下ネタ強めになっています。苦手な方はお控えください。